「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
「決して強がりなんかじゃない。誰よりも自分の役目を理解していて、常に高貴な信念を胸に抱いている。あれほどの魂を持った人間に、俺は久しく会ったことがなかった。」

言葉が、優しい刃のように私の胸をなぞる。

──どうして、こんなにも彼はまっすぐに、彼女を称えるのだろう。

「……そう、ですか。」

精一杯、笑ってみたつもりだったけれど。

その笑みは、きっとひどくぎこちなかったはずだ。

「でも、それとこれとは別だよ。」

紅茶のカップを置いたカイルが、私の手を取った。

「どんなに尊敬していても、どれだけ信頼していても──俺が愛しているのは、君だ。」

その言葉に、ようやく少しだけ息ができた。

「……本当?」

「ああ。本当だ。信じてくれ。」

抱き寄せられた肩に、ぬくもりがじんわりと染み渡っていく。

カイルの想いが、まるで灯火のように私の心の闇を照らしてくれていた。
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