「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
カイルの手が、私を静かに遮る。

「俺は君を選んだ。誰に何を言われても、何を思われても、それは揺るがない。君でなければ、ダメなんだ。」

目を見つめられて、逃げられなかった。

まっすぐで、強くて、あたたかい彼の瞳。

「君が笑えば嬉しい。君が泣けば抱きしめたい。君が不安なら、手を握る。」

「……カイル……」

「俺にとって、唯一無二の婚約者は君だけだよ。セレナ。」

そう言って、彼は私にもう一度、深く口づけてくれた。

迷いも、不安も、すべて溶かすように。

「カイル……」

揺れる気持ちを、もう隠していられなかった。

胸に満ちた想いが、溢れ出しそうで──私はそっと唇を開いた。

「好きです。あなたが。」

カイルが驚いたように私を見つめる。

けれど、すぐにその瞳が、やわらかな光を宿す。

「誰よりも強い心で、あなたを想っています。」

声が震えるのは、怖かったからじゃない。
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