「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
「この前の舞踏会の時でしょうか。」

さらりとした言い方だった。

それでも、その一言で“惹かれた”という物語にしてくれているのが分かる。

本当に、ありがたい。

殿下は私を傷つけず、父母を安心させるように、最大限配慮してくれている。

「舞踏会……ああ……」

父は額に手を当ててうなだれた。

まるで信じたくない現実に蓋をしたいかのように。

「確かに、確かに……私はセレナに“他の相手を探して来い”とは言いましたが……まさか、その“他の相手”が、皇子殿下とは……」

母は口元に手を当て、目を丸くしている。

「恐れながら……そのようなお方が、なぜ我が娘に……」

「彼女には、それだけの価値があると思ったまでです。」

カイル殿下のその言葉に、父と母は再び言葉を失った。

……まるで夢を見ているようだった。

でも、夢なら──どうか今は覚めないで。
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