「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
「……違う。逆だ。あまりに“上”すぎる」

「え……?」

「いいか、セレナ。カイル殿下は確かに第2皇子だが……皇太子になり得るお方だ。」

「……えっ?」

私は思わず問い返した。

けれど、父はそれには答えず、重い足取りで立ち上がると、ゆっくりと窓際に歩いていった。

そして、遠く空を見上げるようにして、低く静かに語りはじめた。

「今の皇太子殿下──第一皇子は、妾腹のお子だ。正室の王妃様が産んだわけではない。だが国王陛下は温情深く、それを理由に差別することなく、皇太子の座をお与えになられた。」

言葉を選ぶような慎重な語り口だった。

「しかし……あの方は、剣術が苦手でな。

学問には通じておられるが、軍務には不向きと囁かれている。

もしこの国に大きな危機が訪れ、剣と指導力が求められる日が来たら──」

父は、ふっと息を吐いた。

「そのとき真に国を守れるのは、“正妃の子”であり、“剣を振るえる王子”……つまり、カイル殿下なのだ」
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