「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
国王は穏やかな声音で私たちを迎えてくださった。

そのひと声だけで、空気が一変する。

「カイルから聞いている。彼が、セレナ嬢を妃にしたいと──そう申しておる。」

父の肩が小さく震える。

そして、絞り出すような声で答えた。

「こ、国王陛下……このような……身に余る光栄にして、突然の事態となりましたこと……何とお詫び申し上げてよいやら……」

その言葉に、国王はふっと目を細め、ゆっくりと首を振った。

「よい。謝ることなどない。これは、本人が決めたことだ。」

国王は重みのある声でそう告げると、私へと視線を向けた。

「しかも──以前に大臣を務めたそなたの娘ならば、王族への礼式も、忠臣としての心得もあるであろう。」

私は、思わず息をのんだ。

それは……すなわち、私が王族の一員として迎えられることを、国王が認めたという意味。
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