「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
「……どういうこと? 婚約破棄って、本当なの?」

問いかけた私に、ユリウス様の瞳は冷たく突き刺さるようだった。

あの優しかった眼差しは、もうどこにもない。

「君は……僕には似合わない。」

その一言で、世界が音を立てて崩れた気がした。

「そ、そんな……どうして? あんなに仲が良かったじゃない……」

「仲が良かった“だけ”だろ。君のことは、ただの同級生としてしか見ていなかった。婚約は親の勝手な判断だった。僕にとって君は──」

そこまで聞いて、私はもう立っていられなかった。

まるで、何もかもが嘘だったみたいに。

心の奥が、ずたずたに引き裂かれていく。

「地味すぎるんだよ、君は。」

ユリウス様は椅子にふんぞり返るように座り、面倒そうにため息をついた。

「見ただろ、舞踏会。僕らが現れた時、他の令嬢たちの反応を。」

確かに……あの夜、私たちの姿に失笑がこぼれたのは覚えている。

でも、それがどうして、こんな話に繋がるの?

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