「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
額に、瞼に、唇に──一つ一つ確かめるようにキスが落ちるたび、心が蕩けていくようだった。

私はこの夜、

初めて誰かに “触れられる” ということの意味を知った。

「カイル殿下……」

緊張で、声が震えた。けれどその名を呼んだとたん、彼の瞳がやわらかく揺れる。

「殿下はいい。」

その声は低く、優しく、どこまでも甘い。

「今は、一人の男として……君を愛したい。」

胸が熱くなった。

この人は、本気で私を想ってくれている──

「……カイル」

名前を呼んだ瞬間、彼の腕が強く私を引き寄せ、

熱く、情熱的なキスが降ってきた。

舌が絡み合い、唇を味わうたびに、身体の奥まで熱くなる。

指先が、私の背中をなぞる。

そのまま、ゆっくりと──

「優しくするね。」

そう囁くと、カイルの手が私の肌に触れた。

首筋に、唇が触れるたびに、ぞくりと身体が震える。
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