「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
どうしたの?

どうしてそんなに、私を――

「……ああ、セレナ。」

カイルはふっと息をついた。

「君は、本当に綺麗だ。」

その一言とともに、彼の手が私の頬に触れ、そっと唇が肌に触れる。

柔らかく、温かくて、ふれるだけのキス。

でも心の奥まで届くような、甘いキスだった。

思わず目を閉じると、世界が静かになった。

私達の間に流れる空気だけが、特別なものに変わっていく。

私は――
この人に、こんな風に見つめられていたんだ。

カイルが屋敷を訪れるのは、週に一度。

それが決まりのようになっていた。

なのに――
「セレナ。」

翌日もまた、彼は現れた。

「えっ……昨日、お会いしたばかりなのに。」

扉を開けた私の驚きをよそに、カイルはにこやかに微笑んだ。

「毎日でも、会いたいんだ。」

そう言って、私の頬にそっと口づけを落とした。

一瞬、心臓が跳ね上がる。
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