「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
「今は、何をしていたの?」

「書斎で……お妃教育の勉強を。」

「そうか、それなら一緒に行こう。」

カイルはまるで当然のように私の手を取り、書斎へ向かう。

そして机の傍にあるソファへ私が腰掛けると、彼も隣に座った。

「お妃教育の勉強……ああ、歴史や礼儀作法、言語、全部だね。」

「はい……難しくて、時々頭が痛くなります。」

私がため息をつくと、カイルはすぐに私の肩に手を回した。

「疲れたら、俺の肩にもたれていいよ。」

「えっ、でも……」

「婚約者に甘えて何が悪いの?」

そう言って、私をふわりと抱き寄せる。

カイルの肩は思ったよりも大きくて、温かくて、柔らかく香る彼の匂いが心を穏やかにしてくれた。

「……セレナは、真面目で努力家だよね。」

ぽつりと、カイルが言った。

「そんなところも、好きだよ。」

胸の奥が、じんと熱くなる。

ああ、どうしてこんなに優しくて、甘いのだろう。

私は、彼の本気を――信じても、いいの?
< 84 / 142 >

この作品をシェア

pagetop