「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
お妃教育の帰り道。

夕暮れが差し込む馬車の中で、私はカイルと並んで座っていた。

「護衛役は、神託だったと聞かされたのだけど、腑に落ちない。」

カイルは、腕を組みながら視線を遠くに投げていた。

「父上は、近ごろ神殿とよく話をしている。もしかして、本格的に俺が皇太子になるやもしれない。」

一瞬、胸が跳ねる。

皇太子――。

それは、私が王妃になる日が近づいているということだ。

だが、すぐに現実の重みが心を押さえつける。

「でも、本来なら兄上が護衛役を務めるのに。」

カイルは自嘲気味に笑った。

「兄上は、政務に忙しくて身動きが取れない。それに……父上の命に、逆らえなかっただけだ。」

私は静かに彼の横顔を見つめた。

(カイルは、自分の意志で聖女の護衛を引き受けたのではないの……?)
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