「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
まるで、「あなたのすべてが知りたい」とでも言うように。

神に選ばれた聖女の、気高く美しい微笑み。

(あんな人と、ずっと一緒に……?)

「では、また後で。」

ティアナは優雅に一礼し、軽やかに去っていった。

「……また会うの?」

気づけば、私はそう尋ねていた。

「──ああ。浄化の打ち合わせだ。」

何でもないことのように言うカイル。

でも私の中では、小さな不安が波のように広がっていく。

気がつけば、私はカイルの袖口を掴んでいた。

「……セレナ?」

はっとして、慌てて手を離した。

「ごめんなさい。私、嫉妬なんて……するつもりなかったのに。」

心のうちを隠せなくて、情けなくなる。

けれどその瞬間。

カイルは私の頬をそっと両手で包み、唇を重ねてくれた。

──優しくて、温かくて、私の不安を包むようなキス。

「そんなセレナも、可愛いよ。」

そう囁いて、私をぎゅっと抱きしめてくれる。
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