√スターダストtoらぶ
心に宿した西園寺満月が表に出て来てくれたお陰でなんとかその場は収まった。


『ねぇ今の何?』

『良く分からないけど、なんか良かった…!』

『誠実過ぎて憎まれるなんて、さすが我が推しっ!』

『最高だよ…』


ということらしいので、終わりよければ全て良し。

俺は切り抜けられた。

後は尚悟になんとかうまくやり過ごしてもらうしかない。

てかなんで高校生と仲良くなってこんなとこまで来てるんだよ?

ツッコミたいところではあったが、今はそちら側の人間ではないのでひとまず去る。

俺は冷ややかな目やむしろ尊いものを見つめるような目で見られながらバックヤードに戻ったのだった。

そんな惨事から3時間後。

俺は西園寺満月の衣装を脱ぎ、お気に入りの白ティに着替え挨拶もそこそこに店を出た。

機内モードにしていたスマホを電波を受信出来るようにすると、案の定通知が山ほど来た。

十数秒やかましい音が続き、ようやく静寂が訪れた。

俺はすかさず尚悟に電話をかけた。


「あ、もしもし、俺」

「前から言ってるけどオレオレ詐欺みたいだからやめなよ、それ」

「はいはい。でさ、さっきの大丈夫だった?」

「さっきってかもう3時間も前の話だけどね。大丈夫でもないけど、あとは絵那ちゃんと琳太朗くんに任せたから」

「そ」


それからしばらく沈黙が続き、尚悟が気まずそうにこちらの出方を伺っているだろうことが電話越しでも感じ取れたから、俺は仕方なく重たい口を開いた。


「ひとまず尚悟があの3人とどうして一緒に来ていたのかは置いといて…」

「はは。まあ後で話すよ」

「あの子…らぶって子。俺のこと嫌いっぽいのに西園寺が推し?なんだろ?なんか申し訳なくて」

「ふふ。やっぱ愁真、ほんとはいいヤツだよな。クズなら後ろめたくならないじゃん」

「…別に俺のことはどうでもいい。それより、さ」

「はいはい。分かってますよ。自分の目で確かめたいんでしょ?連絡先送っておいた。らぶちゃん出てくれるか分からないけど」

「…ありがと。んじゃ、また」


< 31 / 84 >

この作品をシェア

pagetop