√スターダストtoらぶ
申し訳ないって思う後ろめたさももちろんある。

もし仮に西園寺満月を担降り?するなんてなったとしてそれを俺のせいにされるのが嫌だってのもある。

けど、それより、

俺は…

スマホをタップする。

知らない番号からなんて出るわけない。

そんなの分かっててもそうしなければならなかった。

そう…したかった。

結局何度コールしても出てはくれなかった。

また俺は人を傷つけた。

それでもそんなに痛くない。

はず、だったのに、

こんなに痛いのは

苦しいのは

あの子、だったから。

触れる度に感じる熱に浮かされている。

忘れられない。

あの日と同じそれを

感じて

求めて

何度も

何度も

何度も…。

思い出すんだ。


最寄りの電車に乗るのも忘れて彷徨い続け、気づけば2駅分歩いていた。

そろそろ帰るかとふと顔を上げた、その時。


「あ…」


カラオケボックスの出口から赤いドレスの女の子が出てくる。

昼間に見たまんまの髪型で、周りの目も気にせず、というよりは目に入らない感じで駅とは逆方向に虚な目をして歩いていく。

また花火大会の時のようになったらまずい。

あの時の彼女はひどく怯えていた。

もう二度とあんな目に遭わせてはならない。

俺は走り出した。

1秒でも早く

捕まえなければならなかった。

いや、

捕まえたかった。


「赤いドレスのお嬢さーん」


すれ違ったカップルに睨まれる。

何事かと会社帰りのサラリーマンに驚かれる。

彼女は気づかない。


「赤いお嬢さーん」


恐らく自分のことだと思っていない。

てか、このままじゃ…。

信号が赤なのにも気づかず渡ろうとしている。

俺は車の間をぬって横断すると彼女目掛けて全速力でダッシュした。


「止まれ…!止まれ、らぶ!」

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