√スターダストtoらぶ
所変わって、バイト先のコンビニ。
さっきの惨劇をわたしは可愛い後輩くんに語るしかなかった。
「なんか散々な目にあいましたねー、らぶ先輩」
「前に言ったでしょ、この顔のせいでモテまくるから眼鏡かけてるって。なのになんで効果ないんだろう?もしかして透視?」
「んなわけないですよ!そんな超能力者現実にはいませんから!てかそれより、本当に花火大会行くんですか?」
「ああ、うん。そのことなんだけど…」
続けようとしたところでお客さんが入って来た。
いつも決まった電子タバコを買う大学生っぽい男の人だ。
わたしは身体をくるっと回転させ、上段のたばこを一箱取るとすぐにスキャン出来るようレジ横にスタンバイさせた。
真っ直ぐこっちに向かってくる。
やっぱり今日もそうらしい。
「いらっしゃいませ」
「えっと…アイコスの…」
「こちらでお間違えないですか?」
わたしが差し出すと彼はうんと首を縦に振った。
お会計金額を言い、トレーを出す。
しかし、この人は…。
「あの、これで…」
やっぱり今日も手渡しか。
わたしは現金をちょうど受け取り、会計を終わらせた。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
彼が軽く会釈をし、去っていく。
そして再び店内に2人きりになる。
わたしは盛大なため息をついた。
「あの人、絶対らぶ先輩のこと好きですよ」
「ん。そんな気する…」
「今度からあの人来たらぼく代わりますから、らぶ先輩は後ろで隠れてて下さい。といっても店長寝てるかもしれないですけど」
「あはは。ありがと、やまりん」
やまりんこと山岡琳太朗。
わたしと同じ高校の1年生。
入学するや否やここのバイトに応募してくれて今ではかなり強力な戦力。
そして、わたしの良き相談相手。
「さっきの話の続きなんだけど…」
わたしはちゃんと仕事してます感を出すべく、レジ周りをハタキで掃除しながら口を動かす。
「あ、はい。…って、やっぱり先輩可愛いと思います。眼鏡越しでもわかるっていうか…」
「え?何言ってるの?やまりん女の子無理じゃ…」
「はい、基本的には。でも先輩は性別を超越する魅力があるっていうか。ぼくの歪んだ瞳にもひときわ輝いて映るというか…」
「ありがと。でも、好きになっちゃダメだからね」
「好きにはなりません。だってぼくの推しは“南北”ですから!」
「うん。それでよし!で、花火なんだけど…」
結局、花火大会にやまりんもついて来てもらうことにした。
プラスわたしの心強い味方も。
わたしはバイトを終えると超高速でメッセージを打ち、戦友にメールを送った。
どうか届け、わたしの思い…。
なんて思わずとも届き、送った時より倍の速度で返って来た。
メッセージを目で追う。
うん、オッケーらしい。
後は彼からメールが来た時に事情を話せば大丈夫だろう。
友達からでもいいって言ってくれてるし。
幾分今までの男よりは良さげだ。
よし、帰ろ帰ろ!
荷物を全部持ち、先に出ているはずのわたしの専属騎士の元へと向かう。
「やまりん、お待たせ。今日もお疲れ様。で、駅までよろしくお願いします」
「はい、喜んで…姫」
ちょ、ちょっと待って。
今の感じすごく…
「似てた。今のすっごく満月(みつき)に似てたよ!」
「なら良かったです!」
「ありがと、やまりん。尊きわたしの推しをこんなにも上手に演じてくれて。あぁ、今なら死…」
「死んじゃダメですよ、先輩!夏休み一緒に例の場所行くって約束したじゃないですか?!」
「あはは、そうだった。ごめんごめん。ちゃんと生きます。生きてみせます!」
「そうこなくっちゃ、です!」
と、2人してハマっている乙女ゲームの話に華を咲かせながら駅までの道をのんびり歩いたのだった。
さっきの惨劇をわたしは可愛い後輩くんに語るしかなかった。
「なんか散々な目にあいましたねー、らぶ先輩」
「前に言ったでしょ、この顔のせいでモテまくるから眼鏡かけてるって。なのになんで効果ないんだろう?もしかして透視?」
「んなわけないですよ!そんな超能力者現実にはいませんから!てかそれより、本当に花火大会行くんですか?」
「ああ、うん。そのことなんだけど…」
続けようとしたところでお客さんが入って来た。
いつも決まった電子タバコを買う大学生っぽい男の人だ。
わたしは身体をくるっと回転させ、上段のたばこを一箱取るとすぐにスキャン出来るようレジ横にスタンバイさせた。
真っ直ぐこっちに向かってくる。
やっぱり今日もそうらしい。
「いらっしゃいませ」
「えっと…アイコスの…」
「こちらでお間違えないですか?」
わたしが差し出すと彼はうんと首を縦に振った。
お会計金額を言い、トレーを出す。
しかし、この人は…。
「あの、これで…」
やっぱり今日も手渡しか。
わたしは現金をちょうど受け取り、会計を終わらせた。
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
彼が軽く会釈をし、去っていく。
そして再び店内に2人きりになる。
わたしは盛大なため息をついた。
「あの人、絶対らぶ先輩のこと好きですよ」
「ん。そんな気する…」
「今度からあの人来たらぼく代わりますから、らぶ先輩は後ろで隠れてて下さい。といっても店長寝てるかもしれないですけど」
「あはは。ありがと、やまりん」
やまりんこと山岡琳太朗。
わたしと同じ高校の1年生。
入学するや否やここのバイトに応募してくれて今ではかなり強力な戦力。
そして、わたしの良き相談相手。
「さっきの話の続きなんだけど…」
わたしはちゃんと仕事してます感を出すべく、レジ周りをハタキで掃除しながら口を動かす。
「あ、はい。…って、やっぱり先輩可愛いと思います。眼鏡越しでもわかるっていうか…」
「え?何言ってるの?やまりん女の子無理じゃ…」
「はい、基本的には。でも先輩は性別を超越する魅力があるっていうか。ぼくの歪んだ瞳にもひときわ輝いて映るというか…」
「ありがと。でも、好きになっちゃダメだからね」
「好きにはなりません。だってぼくの推しは“南北”ですから!」
「うん。それでよし!で、花火なんだけど…」
結局、花火大会にやまりんもついて来てもらうことにした。
プラスわたしの心強い味方も。
わたしはバイトを終えると超高速でメッセージを打ち、戦友にメールを送った。
どうか届け、わたしの思い…。
なんて思わずとも届き、送った時より倍の速度で返って来た。
メッセージを目で追う。
うん、オッケーらしい。
後は彼からメールが来た時に事情を話せば大丈夫だろう。
友達からでもいいって言ってくれてるし。
幾分今までの男よりは良さげだ。
よし、帰ろ帰ろ!
荷物を全部持ち、先に出ているはずのわたしの専属騎士の元へと向かう。
「やまりん、お待たせ。今日もお疲れ様。で、駅までよろしくお願いします」
「はい、喜んで…姫」
ちょ、ちょっと待って。
今の感じすごく…
「似てた。今のすっごく満月(みつき)に似てたよ!」
「なら良かったです!」
「ありがと、やまりん。尊きわたしの推しをこんなにも上手に演じてくれて。あぁ、今なら死…」
「死んじゃダメですよ、先輩!夏休み一緒に例の場所行くって約束したじゃないですか?!」
「あはは、そうだった。ごめんごめん。ちゃんと生きます。生きてみせます!」
「そうこなくっちゃ、です!」
と、2人してハマっている乙女ゲームの話に華を咲かせながら駅までの道をのんびり歩いたのだった。