√スターダストtoらぶ
結局お見舞いに来たはずなのに、掃除してなんか慰め合って?みたいな意味不明なことになってしまった。

けど、ちゃんと分かった。

愁真さんはクズじゃない。

ちょっと曲がってるところもあるけど、本当は優しくて素直で良い人だ。

信用出来る人だ。

それが分かっただけでも、

少し愚痴を吐いただけでも、

軽くなった。

これで今までより多少は呼吸がしやすくなったように思える。


「ではお大事にしてください。シフトに穴が開くと埋め合わせにわたしとかやまりんとかお人好しな人間が使われるので、なるべく早く復活してください」

「はーい」

「…ふざけてるんですか?ちょっとは見直したのに残念です」

「まぁまぁ、そんなこと言わずに。病人なので今日はこの辺で勘弁してください」


…掴めない人。

他人にあんまり興味がないタイプの人間で適当にヘラヘラしてるか無感情か、そう思っていたのに、意外とコロコロ表情が変わるんだよね。

警戒態勢は継続した方が良さそうかも。

何はともあれ、一件落着ということで帰ろう。


「では、また。お邪魔しました」


ドアノブに手をかけ、

開けようとした、

その時。


「ふぇっ…」


背中に体重がかかった。

鎖骨に腕が回ってる。

ちょ、ちょっと待って。

これは…違反ですよ。


「…好き」

「…約束は?」

「ドアの向こう側でのみ有効」

「そんなの聞いてません…!離して…」


伝わる熱が増幅していく。

これ以上は本当に危険だ。

こんなところで堕ちてしまえば、もう陽の光を浴びれない。


「もう一度だけ言わせて。俺は…キミが好き。あの時のあの子とか関係なく、今ここにいるキミが好き。それだけは忘れないで。…じゃあ」


熱が離れ、半ば強制的に表に出された。

ちょうどお向かいの奥様が帰ってきたところで、まぁ!なんて言われてしまった。

何度も見たであろう場面に新たにわたしも加わってしまったことが不愉快過ぎる。

でも、まぁ、もう今日は考えるのも疲れたし、何を思われても良いので帰ります。

わたしは先程の受付のお姉さんに再度会釈をし、ようやくマンションを去ることが出来た。

見上げると来た時よりも空の色が濃くなり、より一層星が見やすくなった。

これからは夜空を見上げる度に思い出してしまうのだろう。

星屑のような、あなたを。





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