√スターダストtoらぶ
「おーい、そこのお嬢さん」
背後からコツコツとローファーの音が近づき、回り込むとわたしの目の前で止まった。
視界に右手が現れる。
「はい」
「…」
「うわ、シューマやっさし〜」
「え、もしかして…タイプ?」
周りの冷やかしに乾いた笑顔を見せるシューマ?さん。
…いっ、か。
たまには甘えてみても。
わたしは右手を握り返した。
ふわっと一瞬身体が軽くなったけど、気づいたら地面に二足足で立っていた。
「傘お忘れなく」
「あ、ありがとう、ございます…」
彼から傘を受け取ると早足で駆け出した。
散々過ぎた今日。
最後の最後までやらかしてしまった今日。
でも、少し、
ほんの少しだけ、
何かが動き出した気がした。
追いつかれない程度に離れたところで振り返ると彼らの姿はなくなっていた。
握り返した右手が異様に震える。
…あはは。
惚れた?
いや、まさか。
ダメ、だから。
わたしに優しくする男はろくでもない。
わたしの周りにはいないんだ、
御伽話に出てくるような王子様、なんて。
夏の夜風に吹かれる髪を気にするふりをして
この熱を蒸発させようとしていた。
背後からコツコツとローファーの音が近づき、回り込むとわたしの目の前で止まった。
視界に右手が現れる。
「はい」
「…」
「うわ、シューマやっさし〜」
「え、もしかして…タイプ?」
周りの冷やかしに乾いた笑顔を見せるシューマ?さん。
…いっ、か。
たまには甘えてみても。
わたしは右手を握り返した。
ふわっと一瞬身体が軽くなったけど、気づいたら地面に二足足で立っていた。
「傘お忘れなく」
「あ、ありがとう、ございます…」
彼から傘を受け取ると早足で駆け出した。
散々過ぎた今日。
最後の最後までやらかしてしまった今日。
でも、少し、
ほんの少しだけ、
何かが動き出した気がした。
追いつかれない程度に離れたところで振り返ると彼らの姿はなくなっていた。
握り返した右手が異様に震える。
…あはは。
惚れた?
いや、まさか。
ダメ、だから。
わたしに優しくする男はろくでもない。
わたしの周りにはいないんだ、
御伽話に出てくるような王子様、なんて。
夏の夜風に吹かれる髪を気にするふりをして
この熱を蒸発させようとしていた。