私の隣にいるのが俺じゃない理由を言え、と彼は言う
仕事終わり。
フロアの片隅で、私は自動販売機の前に立っていた。
何を飲もうか、ぼんやりと迷っていた、その時――

「ちょっと、きて」

いきなり腕を掴まれて、ぐいっと引っ張られる。

「えっ、ちょ、野田――!?」

そのまま連れて行かれたのは、廊下の先にある小さな会議室。
ドアが閉まると、静まり返る空間。
私は目をぱちくりさせた。

「な、なに?どうしたの?」

息を整えながら振り返ると――
野田は、顔を真っ赤にしていた。

「……ねえ、もしかして、さっき――ヤキモチ、焼いてた?」

その目は、まっすぐ私を見つめてくる。
心臓が、どくんと跳ねた。

「……な、何の話?」

「奈々未と笑ってたの、見てただろ。合コンのことも、気になってたよな?」

「別に……」

野田は苦笑しながらも、視線を逸らさない。

「なに?俺のこと、そういうふうに見たことないって、また言う?」

その声が、思ったより近くて。
その顔が、今までで一番真剣で。
私は、言葉に詰まってしまった。
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