私の隣にいるのが俺じゃない理由を言え、と彼は言う
お母さんとおばあちゃんの部屋とは、居間を挟んで正反対の奥の部屋に、二つのお布団が並べて敷かれていた。
「風花ちゃん、こっちの部屋ね。暑くないように窓は少し開けてるけど、虫に気をつけてね」
「お布団、ふかふかに干しておいたから気持ちいいわよ〜」
おばあちゃんが嬉しそうに言って、部屋を見渡した私に目を細めた。
「……はい。ありがとうございます」
けれど、敷かれたお布団が“ふたつ並んで”いるのを見た瞬間、私の中にふわっと照れくささが込み上げてきた。
これって…そういうこと?
「おやすみなさい」と部屋を出ていくお母さんとおばあちゃんの背中を見送りながら、私は思わず野田の方を見た。
彼は、照れ笑いを浮かべて、ぽつりと一言。
「…うちの家族、空気読まないんだよ、たまに」
そっと窓の外から涼しい風が吹いてくる。
夏の夜の静けさと、心地いい緊張感と――
すぐ隣に、野田の寝息が聞こえてくる距離。
照れながらも、私はお布団に入り、小さくつぶやいた。
「……おやすみ」
そう言ったはずなのに、布団に入ってすぐ、背中にふわりと温もりが触れた。
「風花ちゃん、こっちの部屋ね。暑くないように窓は少し開けてるけど、虫に気をつけてね」
「お布団、ふかふかに干しておいたから気持ちいいわよ〜」
おばあちゃんが嬉しそうに言って、部屋を見渡した私に目を細めた。
「……はい。ありがとうございます」
けれど、敷かれたお布団が“ふたつ並んで”いるのを見た瞬間、私の中にふわっと照れくささが込み上げてきた。
これって…そういうこと?
「おやすみなさい」と部屋を出ていくお母さんとおばあちゃんの背中を見送りながら、私は思わず野田の方を見た。
彼は、照れ笑いを浮かべて、ぽつりと一言。
「…うちの家族、空気読まないんだよ、たまに」
そっと窓の外から涼しい風が吹いてくる。
夏の夜の静けさと、心地いい緊張感と――
すぐ隣に、野田の寝息が聞こえてくる距離。
照れながらも、私はお布団に入り、小さくつぶやいた。
「……おやすみ」
そう言ったはずなのに、布団に入ってすぐ、背中にふわりと温もりが触れた。