甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


つまり、私たちの頑張り次第で、優勝する組が決まるってこと。


私も頑張らなきゃ、白組の人たち全員に申し訳ない……!だから、頑張らなきゃ。

でも、緊張で手が震えてきた……。
練習ではこんなことなかったのに。


私、ちゃんとやれるかな。大丈夫だよね。


「……ゆあ」


ふと、頭上から声がした。
振り向かなくても、誰のものなのかなんて分かる。

……千紘くんだ。


「大丈夫だよ」


そう言って、一瞬だけ、私の右手に伝わったぬくもり。


……っ、そうだよね。
大丈夫、私、頑張れるはず。


「……うん!」


千紘くんの方を振り向いて、精一杯の笑顔を向けた。

笑い返してくれたから、きっと大丈夫だ。


「位置にについて、よーい……」


パンッとピストルの音が響き渡った。


第一走は唯斗くん。
……すごい、速い。

練習を見てても思ったけど、唯斗くんは本当に足が早い。

赤組と青組の選手と、大きな差をつけて走っている。


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