甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


……な、な、な。
なにこれ……!?

なんか、いつものドキドキと全然違う……!!

胸の奥が、むずがゆくなる感じ。
とくん、とくん、と優しい音がする。


「……や、やっぱ、無理……っ」

「……」

「ちょっと、千紘くんっ?」


なにか言ってよ……!!
なんで黙ってるの……っ!?

少し焦って千紘くんの方を見る。

そこには、規則正しい寝息をたてて、気持ちよさそうに寝る姿が。


「……なんで寝てるの」


だったら、最初から寝てよ。
こんなに寂しい気持ちにさせる前に。


しかも、手繋いだままだし。

こんな強い力じゃ、ほどけないよ。


「おうち、帰れないじゃん……」


千紘くんの、ばか。



***



「はっ、ちょっと、ゆあ!?」


……っ、ん……?

遠くの方で聞こえた大きな声に、体をよじらせる。


「なんでゆあがここにいんの……!?」


勢いよく手を振り払われる感覚がして、ゆっくりと目を開ける。


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