甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「瀬良くんは、いつも優しいよね」

「おい、瀬良だけほめちぎるなよ」

「えー、だって事実じゃん」


千紘くんを前にそんなことを話す男女に、千紘くんは苦笑いを浮かべて。


「はは、そんなことないと思うけど」


なんて言って、しらばっくれる。


その様子を教室の窓から、じいっと見つめる私。

……なんで千紘くんは、あんな風に猫をかぶっているんだろう。

そんなことを考えながら、頬杖をついていると。


「ゆあおはよー」

「あっ、羽衣。おはよう」


そう言って羽衣が、私の前の席に座る。


「ゆあ、昨日大丈夫だった!?」

「あー、あはは、実はね……」


千紘くんはともかくっ、親友の羽衣に隠し事なんてしたくない。

だから、昨日吉村さんに呼びだされたこと、屋上に閉じ込められたこと、千紘くんが助けに来てくれたこと、すべて話した。


「はあっ!?そんなことになってたの……!?」


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