甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「よかった、開いてた」


教室のドアを開けて、自分の机まで急ぐ。

机にかけてあったかばんを手に取ると、千紘くんのところに戻った。


「ありがとう、行こうっ」

「ん、よかったな」


千紘くんは優しいとか言ったけど、でも。

なんか千紘くんが優しいと調子狂うっ。
だって、いっつもあんなにいじわるしたりしてくるのに!

いや、嬉しいけどねっ!?


「千紘くん、今日の晩ご飯何がいい?」

「なんでもいいよ」

「あっ、一番めんどくさいやつ!
だったら魚にするよ!?」

「あっ、おい、それはやめろって……!」

「ふふっ」


千紘くんが焦ってるなんて珍しい。

ちょっとだけ、千紘くんに勝てた気分だ。



***



「ごめんね、ちょっと通してくれるかな」


千紘くんがそういえば、周りの人たちはすっと通路をつくる。


「ごめんね、瀬良くん」

「ううん、気にしないで」


相変わらずの爽やかスマイルに、やっぱり私はしらけてしまう。


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