甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


猫をかぶっていない俺を見て、怒らなかったことだけは、少しだけ引っかかったけど。

家族以外のだれにも見せたことのない俺だった。

だから、なんとなく幻滅されると思っていた。
しかも、ゆあに関してはあの日の朝、少しだけ会話をしたし、余計に。

よく考えてみたら、あの場で猫をかぶることもできたはずだ。
それをしなかったのは、一目見て分かったから。
ゆあが、俺の……。


気がついたら、表情がコロコロ変わって、他の人の比にならないくらいには世話焼きで。
そんなゆあと一緒にいて、居心地がよくなっていた。


ゆあには俺だけを見てほしい。
俺だけにそんな顔を見せればいい。
全部全部、俺だけに──。

自分がこんなに独占欲が強いことなんて、知らなかった。


それなのに、ゆあが神崎を下の名前で呼んでいたのを知って。

神崎が、俺にはない〝特別〟をもっていることに、無性に腹が立った。


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