甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「千紘くん、起きて!朝だよっ」

「……んー……」

「起きてるの分かってるんだよ!?」


ちょっとでも声がするのは、起きているとき。
本当に寝てるときは、寝返りもなにもしない。

なにも言わずに少しだけ待っていると、千紘くんはうすら目を開けて私を見た。


あっ、起きた。今日は結構早い方かな。
ひどいときは、体を揺らしても起きないし。

起こしてほしいって言うから起こしてるのに。まったくだよ、もう。


「……おはよ、ゆあ」

「ん、おはようっ」


寝起きでかすれた声で、私の名前を呼ぶ。
私もそれに応えて、笑顔で返した。


「今日も朝からかわいーね」

「えっ、な、なに言ってっ」

「いつも思ってるけど」

「きゅ、急に言わないでっ、心臓に悪いから……っ」

「じゃあ毎日言えばいいってこと?」


千紘くんは不敵に笑う。

鳴りやまない鼓動の音を聞きながら、やっぱり敵わないな、なんて思った。


< 207 / 213 >

この作品をシェア

pagetop