甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


男の先輩たちも、瀬良くんを見に来ているのです……。


おかげで、廊下はいつもぎゅうぎゅう。

教室で静かに、なんてできない。
廊下からの黄色い声が止まらないのだ。

改めて瀬良くん、すごい……。


なんとなく瀬良くんの方に目をやった。

瀬良くんは相変わらず、爽やかな雰囲気をまとっている。

ちょっと困ったような顔をしながらも、口元に笑みを浮かべていた。


バレないように見ていたはずなのに、瀬良くんがこっちを向いて。

……バチッと目が合った。


……やば。
目、合っちゃった。どうしよう。


……なんて思う暇もなく。


瀬良くんは私を見ながら、一瞬だけ表情を消した。

かと思えば、すぐにいつもの表情に戻って。


気がついたら、視線はもう重なっていなかった。


……疲れてるのかな、今日も。

ああやって、優しく接している瀬良くんだけど。


玄関やマンションの近くで出くわすたびに、疲れたとげんなりした顔をするのだ。


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