甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
「アザラシって水槽の中にもいるんだな」
「たしかに!ショーとかやってるイメージが強いかも」
水槽の向こうのアザラシに小さく手を振ってみる。
すると、ただの偶然かもしれないけど、アザラシはこっちの方まで来てくれた。
えっ、かわいい……!
「わっ、すごい、片手あげてるよ!
手振り返してくれてるのかも!」
「……ゆあって意外と子供じみたこと好きだよね」
「えっ、それ絶対ばかにしてるよね」
「うん」
そんなに呆れた顔してこっち見ないでよ。
だって楽しいじゃん、それに私来るの初めてなんだってば。
私が頬をふくらませながら千紘くんを見ている間に、アザラシの姿は見えなくなってしまった。
「あーっ、ほら、千紘くんのせいでどっか行っちゃったじゃん!」
「俺のせいじゃないだろ」
「いや、千紘くんのせいだね。
私のことばかにするから怒っちゃったんだよ」
「それは一周まわって、はしゃいでたゆあに非があるんじゃない?」