甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
「だってかわいかったんだもん。仕方ないじゃん」
寂しいなあ、と今度は違う意味で水槽のどこかにいるであろうアザラシに手を振った。
あっ、アザラシの写真、撮っておけばよかった。
私としたことが、やっちゃったなあ……。
なんて考えを巡らせていたとき、ふと隣から視線を感じて。
「……どうしたの千紘くん」
「本気で言ってんの、ゆあ」
「本気でって……なにを?」
「アザラシなんかより、ゆあの方が比にならないくらいかわいいけどね」
「はあ……っ!?ちょ、ちょっと……っ」
変なこと言わないで……!!
なんで真面目な顔して言ってんの……!?
しかも周りの人からちらちら視線感じるし……!
「こんなにたくさんの人がいる前で、変なこと言わないでよっ」
「変じゃないじゃん、別に。事実だし」
「~~っ、そういうところだよ……」
そんな言い合いをしながら、私たちは水槽を後にした。