甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


思わず千紘くんの顔をじっと見つめていると、私の手が千紘くんの手と触れた。


「……え」


と思ったのも束の間、指を絡ませるように手と手がつながれる。
……いわゆる恋人つなぎ、みたいな。


「っ、なにして……っ」

「いーでしょ、別に」

「よ、よくない……!これじゃショーに集中できないじゃんっ」

「なんで?なんで集中できないの?」

「~~っ、うるさいっ、できるしっ」


千紘くんのばか。
その顔、絶対分かってる顔だ。

もう何か月も一緒にいるし、千紘くんのことなんてすぐ分かっちゃうんだから。
……いや、やっぱり分からないことだらけかも。

あーもう、心臓うるさい……っ。
千紘くんに聞こえちゃったらどうするの。
またいじわるされちゃう。


「ほら、始まるって」

「本当!?」


千紘くんの声に前を向くと、練習なのかイルカが一回だけ軽く跳ねた。


「わっ、すごい!千紘くん見てた?」


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