甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
いや、まさか。まさかね。そんなこと、あるはずがない。
千紘くんは噴水のそばにあったベンチまで歩くと、そこを指さした。
「ちょっとここに座って待ってて」
「待ってる?」
「うん。俺行かなきゃいけないところがあるから」
「行くってどこに……」
私の質問に返すでもなく、すぐに踵を返してどこかに行ってしまった。
……ええ、どこに行っちゃったんだろう。
しかも、ここで何をしてろって言うのよ。
それに、何をしに行ったんだろう……。
千紘くんが帰っちゃったりしないか祈って待つばかりだけど。
……まさか、私じゃない女の子と会ってるとかじゃないよね。
期待させるように、私をこんなところに置いて。
いやっ、別に嫉妬とかじゃないけど。
ちょっと嫌だなって思って、腹が立つくらいで。
……そんなわけないよね。
そしたら、私をここに連れてくる理由がないし……。
ああ、どんどん嫌なことばかり浮かんでくる。