甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「ああ、別に気にすんなって。
羽衣が椎葉も一緒がいいって言うんだから、大丈夫」


……羽衣のこと大好きじゃん。


これももちろん、今に始まったことではないけれど。

付き合った当初……いや、その前からこんな感じだったような。


羽衣を見ると、相変わらず顔を赤くしている。

やっぱりかわいいなあ。

羽衣みたいな友達を持てるなんて、幸せでしかない。


羽衣に憧れている全人類に自慢したい。


「開く?」


屋上につながる扉の前で、羽衣は加納くんに聞く。

加納くんは開くよ、とうなずいて。

ギシ、と少しだけ音を立てながら、重たいその扉は開いた。


屋上の扉って、重いんだよなあ……。

何度か開けたことがあるけれど、私じゃダメだった。


「誰もいないね」


屋上に人が集まることはほとんどない。


この学校が屋上に立ち入ってもいいことを、知っている生徒の方が少ないと思う。

だから、屋上に来たときに人がいた試しはない。


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