甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
その瞳から、まだ逃れることはできない。
だから、もう小さくうなずくだけで精いっぱいで。
それからしばらく、何もできずに、瀬良くんだけを見ていた。
……のに。
「隙ありっ」
「……えっ?」
突然そんな声が聞こえてきたかと思うと。
瀬良くんは私のお弁当箱に手を伸ばして、残り一つのからあげをつまんで。
ひょい、と自分の口の中にいれた。
あ……!!!
「それ、私のだってば……!
勝手に食べないでよ……!!」
「ははっ、いいだろ、別に」
「ダメだよっ、せっかく残しておいたのに……っ!」
私は真剣に怒っているのに、瀬良くんは笑ってばかり。
……なんなの、もうっ。
少しだけ腹が立って、その肩を軽く叩こうと、瀬良くんの方に手を伸ばす。
「え……っ」
なのに、その手は瀬良くんにとらえられた。
「な、なにして……」
「からあげなんて、また今度作ればいいでしょ。
てか作って」
「そ、そういう問題じゃ……」