甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


瀬良くんは、唇を片方だけ持ち上げて。


「俺に歯向かうの、椎葉さん」

「は、歯向かうって……。
こういう言い合いなら、何回かしたでしょ……?」

「あーもう、うるさいなあ」

「どの口が言って……っ」


いつもからかったり、意地悪するのはそっちじゃん。

なんで、私が悪いみたいな……。


もう片方の手を伸ばそうとすれば、そっちも簡単に瀬良くんにとらえられてしまう。


「手、離して……?」

「……やだ」

「なんでっ」

「どうせ俺のこと、叩こうとでもしたんでしょ」

「……それは、そうだけどっ」


どうしよう。
瀬良くんが触れている両手首が、異様なほど熱い。

瀬良くんとの距離がいつもより近くて、頬もじわじわと熱くなってくる。


「あれ、赤くなってるよ、椎葉さん」

「な……っ」

「俺に触れられて照れちゃった?」


その言葉が私にトドメをさしたみたいに、顔がぽんっと一気に熱くなった。


い、言わないでよ……!!

今の瀬良くん、いつもより意地悪……。


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