甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「やだ」

「な、なんで……!!」

「さっきもこうしたんだし、もう一回してもいいでしょ」


そういう問題じゃないから……!

ちょっと、あ、あの。


「わ、私も心臓、持たないから……っ」

「……」


瀬良くんの息をのむ音が、少しだけど聞こえた。

数秒、沈黙の時間が続く。


……え、ちょっと、なんか言ってよ。
意図的に口にした、言葉なんだから……っ。


「だから、離してくれる……?」

「……やっぱ、離してやんない」

「へっ、だから、なんで……!!!」


いい加減にしないと、二人そろって遅刻するって……!
ただでさえ、ここに来てから数十分たってるのに……!!

なんて思ってるはずなのに、心のどこかでこの時間が続けばいいと思っている私がいる。

……そんなこと思ってるはず、ないのに。ないはずなのに。


「ねえ、椎葉さん」

「な、なに……っ?」

「俺、早起き苦手って言ったよね?」

「い、言ってたけど……」


それが、どうしたんだろう……。


……てかっ、至近距離でしゃべられるとむずがゆい……!!
変にドキドキするし、やめてほしいんだけど……!


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