甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


どうしてか、なんて、そんなのは分からないけれど。


「……朝から椎葉さんの顔見れるとか、最高……」

「えっ、何か言った?瀬良くん」

「いや別になにも」


きゅ、急に早口……。

……まあ、別にかまわないけど。


「えっと、それ引き受けたから、離してもらってもいい……?」

「……それは無理」

「ちょっと、もう学校遅刻するから……!!
私初日に一回、すでに遅刻してるからピンチなの……!」

「別にいいじゃん遅刻しても」

「よくない!!」


ずっとドキドキ止まんないの、もう、分かってよ。

鼓動がずっと速くて、どうしたらいいのか分からないの。


「い、いいから離して……!?」

「やだって言ってるじゃん」

「朝から意地悪しないで……!!」


その後何度もその論争を繰り返して。
ようやく離してくれたけど、家を出る時間はとっくに過ぎていた。


朝ご飯を食べていなかった私と、何も身支度をしていない瀬良くん。

そんな私たちは、二人そろって仲良く遅刻をしてしまって。
私はもう一度、あの視線を浴びる羽目になってしまった。


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