甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


加納くんっていうのは、羽衣の彼氏。
もう付き合ってから、とっくに一年は経っている。

中学生のときに、付き合った報告を聞いた友達の中で、羽衣と加納くんが一番長続きしている。

こんなに続いているカップル、なかなかいないんじゃないかな。


「で?そのデートでなんかあった?」

「あっ、えっ、う、な、何もないよ……?」

「あーっ、その反応、何かあったんでしょー!」


羽衣ってば、顔を真っ赤にして目を泳がせてる。

これで何もないとは言わせない!!


「だから、何もないって……!」

「羽衣は嘘が下手なんだから。教えてよ、ね?」

「ううー……」


かわいいなあ、羽衣。

羽衣のことが好きだと言っている男子なんて、これまでに山ほど見てきた。
羽衣は鈍感だから気が付いていないみたいだったけど。

そんな中、羽衣が加納くんにずっと片想いしてて、付き合い始めて。
加納くん、ほかの男子からの視線がすごく痛そうだった。


……それ以上にラブラブオーラがすごかったから、だれも口を出したりはしなかったけどね。


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