甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
羽衣いわく、私はすごく恥ずかしそうにしながら、教室に入ってきたらしい。
自覚はなかったんだけど……。
「ゆあ以外の全員が来てて、まだよかったんじゃない?
ぽつんと一つだけ席が空いてるから、黒板の前まで座席表見なくてすんだよ」
「運がいいのか悪いのか……」
分かると思うけど、こう見えて羽衣は結構意地悪。
からかい上手というか、でもそこがギャップでいいと思う。
小さく頬をふくらませながら、笑っている羽衣を横目で見る。
「まあ、いいんじゃない?そういう日もあるよ」
「今日じゃなかったら、もうなんでもよかったんだけど」
「初日だもんね」
「うっ、だから言わないでって」
どれだけ意地悪なんだ、羽衣は……。
美少女のくせに、この小悪魔め……!
「そういえば、最近加納くんとどうなの?」
「えっ、湊と?なにもないよ」
「えーっ、嘘だあ。春休みにデートでも行ったんでしょー」
「う、そ、それは行ったけど……」
ほらね、やっぱり。