甘い記憶を溶かしたら
甘酸っぱい記憶
翌朝、部長に呼び出された私は打合せ室で声を上げていた。
「え! 異動!?」
「本社勤務だぞ! 即戦力として期待されてるから頑張って来い!」
創業から八十余年の老舗お菓子メーカー燕屋製菓。私はそこの地方支社で商品デザイン課に勤めている。
看板商品の「燕サブレ」は、国産小麦と卵にこだわった素朴な味わいで発売以来ほぼレシピを変えずに愛され続けている。青と白のクラシックな包装も人気で、贈答用や帰省土産として定番のロングセラー。
しかし近年、”もっと日常に寄り添える商品を”という社内課題が浮上していた。サブレは手頃だが今や百貨店・ネット販売が主流、若年層やコンビニ市場に弱いことがネックになっている。そこで第二の柱を作ろうと再注目されたのが、原点である飴だった。
実は飴のほうが歴史が古く、会社は最初「飴細工屋」からスタートしてた。昔は飴を一から手作りして売っていた、その中の看板商品である「ビー玉檸檬」はラムネ瓶の象徴であるビー玉を模した丸くて大きな食べ応えのある飴だ。
飴の中に気泡を閉じ込めたような透明感のあるレモンイエロー、昭和の夏を思わせる爽やかなレモン風味と微炭酸のような清涼感。パチンと口の中で弾けるような懐かしさが今も根強い人気を誇り、記憶に残る飴として地域で愛されていた。
そのビー玉檸檬こそ、現会長の発案で作られた原点の味だった。その原点を掘り起こす意味があるとビー玉檸檬をリブランディングする動きが始まっている。
「え! 異動!?」
「本社勤務だぞ! 即戦力として期待されてるから頑張って来い!」
創業から八十余年の老舗お菓子メーカー燕屋製菓。私はそこの地方支社で商品デザイン課に勤めている。
看板商品の「燕サブレ」は、国産小麦と卵にこだわった素朴な味わいで発売以来ほぼレシピを変えずに愛され続けている。青と白のクラシックな包装も人気で、贈答用や帰省土産として定番のロングセラー。
しかし近年、”もっと日常に寄り添える商品を”という社内課題が浮上していた。サブレは手頃だが今や百貨店・ネット販売が主流、若年層やコンビニ市場に弱いことがネックになっている。そこで第二の柱を作ろうと再注目されたのが、原点である飴だった。
実は飴のほうが歴史が古く、会社は最初「飴細工屋」からスタートしてた。昔は飴を一から手作りして売っていた、その中の看板商品である「ビー玉檸檬」はラムネ瓶の象徴であるビー玉を模した丸くて大きな食べ応えのある飴だ。
飴の中に気泡を閉じ込めたような透明感のあるレモンイエロー、昭和の夏を思わせる爽やかなレモン風味と微炭酸のような清涼感。パチンと口の中で弾けるような懐かしさが今も根強い人気を誇り、記憶に残る飴として地域で愛されていた。
そのビー玉檸檬こそ、現会長の発案で作られた原点の味だった。その原点を掘り起こす意味があるとビー玉檸檬をリブランディングする動きが始まっている。