漂う花は、還り咲く
「なぁ六花。」
掛けられた声に振り向くと、総長の顔をした凛月が、真っ直ぐ私の目を見ていた。
自然と私も背筋が伸びる。
「どんな綺麗事を並べたって、俺たちは結局、“暴走族“なんだよ。
世間から見たら外れ者だし、当然危険なことも多い。
生半可な気持ちで入る場所じゃねぇ。
それでもお前は、海月の仲間になるか。」
心はもう決まってるよ。
「うん、なる。私頑張ってみるよ。」
少しの時間、凛月に目の奥をじっと見つめられた。
その鋭い視線に、思わず息が詰まりそうになる。
でも私は、怯みそうになるのを堪えて、凛月の瞳を真っ直ぐ見返した。
すると凛月の瞳がふっと柔らいだ。
「広場行くぞ」
静かなその一言に、すぐさま晴が「ほーい」と返す。
それを合図に、各々自由に過ごしていた5人が立ち上がった。
私は何が起こるのか分からないまま、幹部たちに挟まれて歩き出す。
さっき通ってきた、人の多い広場へと向かう道。
ざわついていた空気が、幹部たちの歩みに合わせて少しずつ静まっていくのを感じる。
「中心、開けろ。」
決して大きくはない凛月の声だったけど、その一言で広場の真ん中にスペースが作られる。
ここでも、凛月はやっぱり総長なのだと実感する。