漂う花は、還り咲く
「六花も来てたんだ!」
「そうなの!進学校の文化祭ってどんなもんなのか、見に来てやろうと思ってさ!」
「うけるー」
ぴょんぴょんと軽く跳ねながらハイタッチして、会話が一気に弾む。
「あ!せっかく会えたし写真撮ろー!」
「撮る撮る!」
肩を寄せてピース。
撮った瞬間、そのままストーリー行き。
「メンションよろしくー」
「りょーかーい」
「六花は誰と来たの?」
さやちんが慣れた手つきでスマホをいじりながら、顔も上げずに聞いてくる。
「あそこの集団」
振り向くと、みんながこっちをじっと見ていた。
「え、なにあれ。レベル高くない?」
みーたんが小声で言う。
「ほんとだ。しかもここの生徒でしょ?頭よくて顔もいいとか反則じゃん」
「来て来て!」
二人の腕を引いて、みんなのところまで連れていく。
「同じクラスの、さやちんとみーたん」
「この人たちは……」
——そうだ、海月ってことは秘密なんだった。
一瞬、言葉に詰まる。
「いつも六花がお世話になってます!」
さやちんが割り込んできて、そのまま流れを持っていった。
助かった。
「ねぇ六花。こんなここの生徒とどこで出会ったの?あんなに男っ気なかったのに」
出会い、か。
「んー……ナンパ?」
「ちげーし!」
結翔の即ツッコミに、思わず笑う。
いやでも、最初に声かけてきたの結翔だし。
一種のナンパって言っていいと思うんだけど。
「え、まさかのナンパ!?」
「いつも華麗にかわしてるのに!?」
二人は楽しそうに笑い転げる。
まあ、いっか。
「じゃあね、六花。また学校で詳しく聞かせてね」
「またねー」
「ばいばい!」
軽く手を振り合って——
二人は、そのまま人混みの中に消えていった。