シンユウノススメ

ブルー

「夏休みにね、一週間くらいキャンプに行かない？」

「キャンプ？」

ムギの言葉にメイちゃんは目を丸くした。
メイちゃんお手製の大きな唐揚げを一口で頬張って、頬をぷくっと膨らませたナオくんも
「へーっ、ひゃんぷー！？」なんて、言葉を覚えたての赤ちゃんみたいな反応を見せている。

メイちゃんはお口が小さいからか、唐揚げを三口くらいに分けてもぐもぐしているし、
黄色が鮮やかな出汁巻きたまごをスッとお箸で切って、丁寧に口に運んでいる。

ムギはいつもおうちのご飯を作ってくれる人、簡単に言えばお手伝いさんが持たせてくれた多過ぎる量のお弁当を半分も食べないで、もう仕舞ってしまった。

メイちゃんはどちらかと言えば少食だし、
メイちゃんのお弁当をおいしいおいしいって頬張っているナオくんはムカつくから分け合うことはしない。