シンユウノススメ
「で、どうするの」

「どうするって」

「大好きな彼氏の命を奪ったのは自分だって背負いながら悲劇のヒロインになるのって気持ちいいかもしれないよね。でも、じゃあメイちゃんの家族ってさ、娘が殺人犯になった上に、職まで失っちゃったら死んじゃうしかないかもね」

「なんで私の家族が死ななきゃいけないの」

「メイちゃん、ムギのことナメてるの?ムギと親友でもなんでもない裏切り者の親が、パパの会社でそのまま働けるわけないじゃん。自分の父親のこと過大評価し過ぎじゃない?後ろ盾を失ってまで重宝されるほど、そんなに能力高いと思ってるの?騙されて借金の保証人になっちゃうような人が?」

「お父さんはいい人なんだから悪く言わないで!」

「そう。いい人、でしかないよね?でもそれだけ。いい人過ぎて家族の生活を守れないような大バカ者だよ」

「なんでお父さんをのことを麦ちゃんにそこまで言われなきゃいけないの…」

「ムギの敵だから」

「敵?なんで」

「メイちゃんはこんなにいい子なのに。ムギが助けてあげるまでずーっとメイちゃんを苦しめてたんだよ。許せるわけないよ。メイちゃん、忘れちゃったの?あの頃の惨めだった自分を。裕福になった途端に忘れちゃうようなバカじゃないよね?メイちゃんは」

「お父さんのこと…どうするつもりなの」

「そうだなぁ…パパの会社で莫大な損失を犯して迷惑かけちゃったってシナリオにする?会社に責任取れなくて退職。家族を養っていくこともできなくなっちゃったから生命保険でもかけて自殺、とか。ああ。臓器売買?でもいいかもね。肺って二つも要らないって言うし。そういうツテ、どっかにないのかなぁ。んー、やっぱりそれじゃあお父さんも寂しいだろうから一家心中にする?」
< 43 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop