もう一度、君と恋をするために
「俺たち、別れて3か月だよね。」

「うん。」

その話、いまさら──そう思った矢先だった。

「交際期間は4年。別れたきっかけは、真白が結婚の話をしたとき、俺が決断できなかったからだ。」

「……ああ、そうだったね。」

どこか過去をなぞるような会話。でもそれは、ただの回顧じゃなかった。

「そこで、俺は決めた。」

そう言って、悠一は突然立ち上がると、私の目の前に片膝を着いた。

「えっ、ちょっと待って……!」

動揺する私を前に、彼はそっとポケットから小さな箱を取り出した。

深いブルーのベルベットが光を吸い込むように落ち着いた輝きを放っていた。

「今なら言える。あのとき言えなかった言葉を、ちゃんと。」

蓋が開くと、中にはシンプルな指輪がひとつ。

「真白、もう一度、俺と始めてくれませんか。今度こそ、最後まで一緒にいたい。」
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