深夜一時、突然始まる宝探しゲーム
先に鍵を見つけたいのに見つけたくないような、この勝負に勝ちたいのにまだこの時間が終わってほしくないような、そんな感覚。

きっと私はもうこの特別な空気感に当てられている。

「坂下さん、こんなことに付き合わせて申し訳ありません」

ふと沈黙が走った時に日野さんがそう言った。

まるで急に我にでも返ったように。

「こんなことって何のことですか? 今は楽しい宝探しゲームしかしてないですよ」

いつもなら絶対に言わない格好つけたセリフ。

朝になったら恥ずかしくてベッドの上で頭を抱えてしまいそうだけれど、今は良いの。

だって普段は味わえない非日常だから。
< 13 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop