忘れ物のオーディオプレーヤー



「俺も。この曲が1番気に入ってる」



男子生徒はそう言い残すと、小走りで特別実習室を出て行った。



勝手に他人が自分のオーディオプレーヤーで音楽聴いてたら、普通は嫌な顔するのに。


彼はそれどころか嬉しそうな顔をした。





「ねぇ葵。見た?今の」


「見てたけど…」


「私、あの人と絶対仲良くなる!」







私が恋に落ちるには、十分すぎる出来事だった。











おわり
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