百花繚乱
倫太郎様と紳太郎様の間に、何があったかは知りませんでしたが なんとなく、お二人の間には、見えない溝があったような気がしましたね。

男兄弟というものがそういうものなのか、どちらとも上に立つ立場だからなのか、そんなふうにも考えましたけれどね。


「深雪、ほら。」

一緒に呑んでいる時は、いつも決まって紳太郎様が、お酒を注いでくれました。

「しかしこうしていると、本当に姉弟みたいだな。」

「そうですか?」

「ああ……13の頃から俺の面倒を、見てくれているからかな。近くに住んでいる姉の元へ、訪ねているようだよ。」

「ふふふ。」

「ところで、姉さん。」

「何でしょう?」

紳太郎様の冗談に、乗ったつもりでした。


「今、幸せか?」

紳太郎様の質問は、いつも突然でした。

「ええ…幸せですよ。一体どうしたんですか?」

紳太郎様は、穏やかな顔で話し始めました。


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