百花繚乱
「深雪は…結婚も断って、真木家に仕えてくれているだろう?もし、この家に来なかったら、人並みの幸せも手に入ったのにと、思わないのかなってね。」

「結婚は……縁がなかったのです。いいんですよ、私は今のままで。」

「そうか……それなら、いつまでもこうして、深雪を酒を酌み交わせるなあ……」

「そう…ですね……」

その日は珍しく、二人で夜更けまで、お酒を飲んでいましたね。



幼い頃、女の幸せは結婚して子供を産むことだと、母から聞かされていました。

ですが私は社会に出て、別の幸せもあるという事を知ったんです。

好きな人と、自分の想う人と、こうして二人だけでお酒を酌み交わす。



ええ、そうです。

それが私の、幸せだったんですよ。

< 31 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop