百花繚乱

若葉 ~わかば~

初めから分かっていた。

医学の道は、女にとって閉鎖的な世界だって。

だけどこんなのって、あんまりだわ。


朝、医学を学ぶ為に登校した途端、数人の男子が、私をからかった。

「女は家で、裁縫でもしてろ。」

「医学の勉強じゃなくて、家事の勉強でもしてた方がいいんじゃないか?」

「その前に、嫁の貰い手がないだろう。」


悔しい気持ちを抑えながら、自分の席へ戻ろうとすると、さっきまであった私の席がない。

慌てて周りを見回すと、ごみ箱の隣に、私の机と椅子があった。


「出てけよ。」

誰となく言い放つ。

「女と一緒に、勉強なんてできるか。」

私は泣きたいのを我慢して、机の元へ行く。

負けるもんか。

医学の道は、まだ女子に閉鎖的で、女子だけの学校もなかった。

けれど、どうしても医者になりたくて、父親を説得してまで、このの学校へ入ったんだ。

ここで辞めたら、私はまた、父親にバカにされる。

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