百花繚乱
あの方はそう言うと、今度は私がついていけない程の速さで歩いて行くのだった。

「付いて来いって……一体、どこに行くのよ。」

私は、不安な気持ちを抱えながら、あの方の後を追っていく。

それでも一生懸命ついて行くと、急にあの方は止まって、振り向きました。


「着きましたよ。」

そう言って、指差した場所は病院でした。

「ここは?」

「僕の家です。」

あの方は私に手招きをすると、病院の中へ入って行って、何の手続きもしないのに、診察室へと入って行った。


「どうした?紳太郎。」

中から聞こえてきたのは、低い大人の声でした。

「父さん、診てもらいたい人がいるんだ。」

「ああ、いいよ。誰だ?」

診察室から、ひょいと顔を出したあの方は、また私に手招きをした。

私がそっと診察室へ入ると、あの方によく似たお医者様が、椅子に座っている。

「どうしました?」

「あ…あの……」

< 36 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop