百花繚乱
「役人じゃないから、差別するんですか?紅葉姉さんだって、役人じゃなかったわよ。」

「紅葉はこの家の跡継ぎだ。相手は。商売人ではないと困る。」

だけど、私だって紳太郎の為に、負けるわけには行かない。

「私は将来お医者様になるのよ。私の相手も、医者じゃないと困るわ。」

「だったら、他の医者と結婚させてやる。あの病院とは別の病院のな!」

私は唇を噛みしめた。


「ひどい……どうしてそこまで、紳太郎さんを嫌うの?」

涙を目にいっぱい貯めた私に、父は言った。

「紳太郎君がダメなわけではない。あの家、あの病院がダメなんだ。」

「家?」

「おまえの祖母は、あの病院で亡くなった。他の病院なら助かっていた。」

「言いがかりよ!」

「とにかく、あの病院のヤツと関わるんて、許さないからな!」

私は父の部屋を出た後も、悔しくて悲しくて、涙が止まらなかった。


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