百花繚乱
和葉姉さんが、私を呼びました。

「…頑張るんだよ。」

優しい言葉でした。

「離れていても、応援しているからね。」

私は大きくうなづくと 裏口から家を出ました。


真っ直ぐに真っ直ぐに、紳太郎さんが待つあの場所へ。

ただ前だけを見て。


二人で一緒に、生きていこうと約束した場所に、紳太郎さんはもう来ていました。

「紳太郎さん!!」

私は無我夢中で、走り出しました。

その時でした。

「若葉!」

ふいに名前を呼ばれて、振り向いた私は、頭が真っ白になりました。

父と母が追いかけて来たのです。

「姿が見えないからと探していたら、こんなところに。一体今の時間、何をしようとしていたんだ?」

尋ねる父に私が黙っていると、母が向こう側に、紳太郎さんを見つけてしまいました。

「お父さん、あれを!」

母が指差した方向を見た父は、顔を強ばらせました。

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